「真面目に不真面目」でいこうー常に“お笑い”であるということ

 

f:id:hibino-note:20200613163821j:image

 

熱量があるうちに文字に残しておきたいという思いがある。

興味・関心がある事柄を、自分の中で最も旬な時期に文字にすることで、スピード感があってかつ読み応えのある文章になるのではないか。

 

*

 

最近、「真空ジェシカ」という漫才コンビを知った。

真空ジェシカはボケの川北茂人、ツッコミのガクカワマタからなる人力舎所属の若手漫才コンビだ。

とにかくネタが面白い。普段お笑い芸人のネタをあまり見ない私でも(主に芸人のフリートークを聴くのが好きでネタはあまり関心がない)同じネタを何度も見てしまうほどだ。スピードワゴンの小沢さんも絶賛していて、何度かテレビ出演した際に名前を出してベタ褒めしていたという。

 

ネタはこんな感じ。

 

 

 

 

 

 

 

 

…うーん。ネタが面白いのは勿論のこと、結局最後のひとボケに向けてネタをやっていたという意味不明さにグッとくる。

 

さて、今回のタイトル「真面目に不真面目」とはかいけつゾロリでお馴染みのフレーズだが、かいけつゾロリは全く読んだ事が無い為、関係ないのであしからず。

 

この真面目に不真面目、というフレーズは真空ジェシカのボケ担当・川北さん(サムネでいうと右側・以下、敬称略)をみていて浮かんだ。川北はTBSラジオでレギュラーパーソナリティーを務めているラジオ『真空ジェシカのラジオ父ちゃん(以下ラジ父)』や、Youtubeピン芸人の「肉体戦士ギガ」とのフリートークをあげているネットラジオ真空ジェシカのギガラジオ』でも、ずーっとネタの調子でふざけている。

 

例えば、ネタはどっちが作っているか?という質問に対し川北は

「ネタは5歳の時に全部作り終わってる、だから最近は作ってない」

と答えるという。天才児か。

 

新ネタは目をつむってファイルから抜き出したものを採用しているとか。他にも、クイズ番組のオファーに対し、クイズだとボケれないから出たくないと断ったらしい。(『ラジ父』2020.05.22より) 若手芸人なのに仕事を断るって凄い。

 

上に貼り付けたネタのような、サムネイルでボケることに川北は何故か力を入れており、TBSラジオのホームページにアップされている収録中の様子を写した写真でも、川北(だと思われる人物)は、ハムスターの様なかわいい動物の被り物をしていたり、謎の変装をした状態でマイクに向かっているのだ。普通でいることに我慢できない人なのだろうか、とにかくずっとボケてる印象だ。

 

*

 

そんな川北に対する「興味」はいつしか「敬意」に変わっていた、というと大袈裟だろうか。少なからず川北に対して私は羨望の眼差しを送っている。格好良い、羨ましいな、と思う。それは川北が、先に言ったフレーズ「真面目に不真面目」を地で行ってる人だからだ。

 

まじめ【真面目】意味:1)うそやいいかげんなところがなく、真剣であること。本気であること。

                                     2)真心のあること。誠実であること。

ふまじめ【不真面目】 意味:まじめでないこと。

                                     類語:無責任な・きちんとしてない・怠けている・適当なetc…

(goo国語辞書より引用)

 

一応、言葉の意味を調べてみた。つまり、「真面目に不真面目」とは、言い換えると

真剣にテキトー

的なことになるだろうか。

 

テキトーはテキトーでも、真剣なのだ。 そこには意志がある。上手く言えないのだけど、私が考える真面目に不真面目とは、そういう事。今回は好きな芸人さんを通して、私が「こうでありたい」という人間像(「真面目に不真面目」)について少し話したい。

 

*

 

サムネイル芸(?)からみても分かる通り、謎のボケ(おふざけ?)にエネルギーを使っている川北。

ある週のラジ父で、ツッコミ担当のガクさん(以下、敬称略)がマッチングアプリで出会った女性についてトークするのだが、聞き役の川北の相槌がおかしかった。

 

ーーー

◯フワちゃん

ガク「ボクもなんか、不安になっちゃうことがあって…」

川北「"フワンちゃん"ね〜。分かるよ。ウン。フワンちゃんだよね。」

 

◯ゆってぃ

ガク「誰にもまだ、あんまり、ゆってなかったと思うんだけど…」

川北「"ゆってぃ"ね。ウン。」

ガク「ゆってぃって言ってねーよ!」

川北「ウン。分かるよ。」

 

楽しんご

ガク「そういうのもなんか、楽しいかな〜と思って…」

川北「"楽しんご"。」

ガク「楽しんごみたいに言ってないんだけど、」

川北「わか、分かるよ。ウン。」

 

ガク「で、ちょっと猫背で、根暗っぽい感じで、人と話し慣れてないんだろうなって雰囲気ではあったんだけど、話したら普通に楽しくて」

川北「楽しんご。」

ガク「…で、話せば話すほど」

川北「分かるよ。」

ガク「いろんな、話をね。」

川北「…話しんご。(笑)」

ガク「いや、ちょっと苦しそうに出すのヤメてくれる?」

川北「分かるよ。」

ガク「分かるよ、もヤメろ!話したくなくなるわほんとにちょっと。

めちゃくちゃ嫌だわ、楽しんごで気ィ散りながら話すの。」

川北「分かるよ。」

 

◯さすらいラビー

ガク「でも、まぁ、さすがに、」

川北「"さすがにラビー"。」

ガク「…はぁ。はぁーあ。(溜息)」

川北「これはしょうがない。」

ガク「太田プロ若手芸人・さすらいラビーみたいに言ってねーよ。」

 

(『真空ジェシカのラジオ父ちゃん』2020.04.17 より)

ーーー

 

もし自分が話しててこんな相槌打たれてたらどうだろうか。気が散ってしょうがない。ボケをいちいち拾わなければならないガクさんもさぞ大変だろうと思う。でもコレ聴きながらメッチャ笑ったし聴き終わった後 "フワンちゃん" "さすがにラビー" など使いたくなってしまっている自分がいた。くだらねー!と思いつつ、クセになっている。

 

ーーー

◯犬

ニンテンドッグスが話題に出た事を受けて

川北「犬飼うやつでしょ。」

ガク「DSが一番最初に出た時のソフトじゃない?」

川北「犬…"犬"、より先に出たよね?」

ガク「犬より先に出てねーよ!なんでニンテンドッグスを模したものが犬、なの」

川北「ニンテンドッグスが出て、『かわいい』ってなって、犬が出てきたよね、そっから。大分昔のよ、コレ」

肉体戦士ギガ「機械が子孫なんてあります?」

川北「その後、アイボだっけ?ニンテンドッグス→アイボ→犬、でしょ?」

 

(『真空ジェシカのギガラジオ』2020.04.09 より)

ーーー

 

相方・ガクのいいところについて聞かれると川北は「エモくならないところ」と答えていた。エモい、とはどういうことかというと、例えば賞レースで敗北した芸人がSNSで「こんだけ努力してきて…」みたいに、本音を語ったりするのが嫌だと。この最近よく見受けられる『エモさ』について、「少年の心だから、俺は。夢を見てたいのよ、芸人さんに」(『ラジ父』2020.05.22より)。これを聞いて私は、凄いピュアな人なんだな、と思った。

 

ピュアといえばハライチの岩井さんが浮かぶ。岩井さんはゴッドタンなどでも度々"腐り芸人"や"尖り芸"などと評されているが、腐っているとか尖っているのではなくて、"真剣"で、"誠実"なだけなんだと思う。ただ自分に/世間に嘘を吐きたくないだけで、「毒を吐いてやろう、それでうけてやろう」なんて考えは本人には無いように見える。お笑いに対してピュア、なんだろうなと感じる。

 

同じことが川北に対しても言える。ガクが川北を「トガってるとは言われてるけど、実際はガチガチの軸があるだけでトガってる訳ではない」と評していたけど、やはり尖っているのではなく、芯があるんだと感じる。そして、そのことをちゃんと解っている相方さんと組んでいるから、良いコンビネーションなんだな、とこれを聞いて思った。

 

ーーー

◯北島

川北「ギガがM−1(川北のぷよぷよ配信のこと)を見る世界線

肉体戦士ギガ「なんだそのクソな世界線

ガク「なんも変わんないだろ、未来ひとつも、ギガがぷよぷよ配信見たところで」

川北「なんも変わんねー。(少し声色を変えて)」

ガク「…おい、誰だ?なんて?」

川北「いやなn…"何のメダルも獲れなかった北島康介"」

ガク「…分かるかぁ!」

川北「なんも変わんねー。」

ギガ「名前もじってもいない。」

 

(『真空ジェシカのギガラジオ』 2020.05.07より)

ーーー

 

腐りや尖りでなく、とにかく純粋に"お笑い"をしている、ということに尽きる。ただの腐りであれば、不真面目さがウケてるだけだろうが、私はそこに意志があるところが素敵だと思う。爆笑問題・太田さんもそう。

 

爆笑・太田さんと川北、共通することは「すべてを"お笑い"にしてしまう」ところだと思う。

 

太田さんをみていると「すべて"お笑い"なんだ!」という感じがする。時事ネタから芸能人の不祥事、おでんツンツン男に至るまで(これは偶然だが、真空ジェシカの漫才にもおでんツンツン男が出てきた) すべてを笑いに変えてしまう。これまで散々叩かれて来ただろうが、どんな状況にあっても、たとえ自分が番組で鬼スベリしても(2019年放送27時間テレビにて)、ネタにしてしまうというところ。その姿勢を私はとても尊敬しているし、太田さんの笑いで爆笑しながらも救われてきた。

 

コロナ禍でのラジオ『爆笑問題カーボーイ』では、現状に対し「今は争いは不毛だ」と言い切り、全国民が不安に煽られているコロナについて、影響を受けて来た人達の言葉を織り交ぜながら話し、「笑って生きようよ」と締めた。テレビでは適当言っているように見えてしまうが、誰よりも誠実に世の中と向き合っていると感じる。

 

*

 

常にお笑いでありたい。その思いは大人になるにつれどんどん膨らんでいっている様に思う。今の社会を見ていても、辛く苦しい思いをしている人が大半だ。これが正常な訳がない。(川北ならここで『成城石井』というボケを挟むだろう) 本当はもっと、気楽に、笑って生きていいはずなのだ。

 

これからの世の中を笑って過ごすために、私も、「真面目に不真面目」でいきたい。

 

 

 

 

 

 

 

*反省

○スピード感があって読み応えのある記事にならなかった。まずこの文章を書くのにめちゃくちゃ時間かかってしまった。テレワークかってぐらいPCに向かっていた。

○素人なのでお笑いを語らないようにしようと配慮したが、お笑いを分析してしまってる時点でもうアウツかもしれない。好きという気持ち、それが何故なのか、書きたいだけなのだが。文章を書くって難しい。終わりでーす(マセキ芸能社の断末魔)