Wake Up Girls! の宝石の様な楽曲たち。ー輝きだけが、言葉の絶唱。
ここのところ毎日WUGの曲を聴いている。そんな中で頭に浮かんだあれやこれやを文章にしたくなった。
今回はWUGちゃんの楽曲の歌詞(只野菜摘さんメイン)の考察、とまではいかない雑記、みたいな、特に胸に響いた歌詞を断片的に引用してコラージュしました、みたいな感じの記事になった。
WUGちゃんのことを最近知ったので、ほんとうに主観的な意見、と言うか感想でしかないです。しかも長い。
(アニメ未視聴、ファイナルライブのブルーレイ視聴済み。)
前回の記事→(https://hibino-note.hatenablog.com/entry/2020/08/02/173225)
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【はじめに WUGちゃんの楽曲について簡単に】
Wake Up,Girls!の楽曲は、音楽制作集団MONACAに所属する作曲家が主に楽曲を提供している。
MONACA(モナカ)は、主に音楽制作を行うクリエイター集団。
2001年にナムコ(後のバンダイナムコエンターテインメント)を退社し、フリーランスとして活動していた岡部啓一が2004年10月に設立した。
主にゲーム、テレビアニメ、テレビドラマ、映画の主題歌やBGMなどに楽曲を提供している。
(Wikipediaより引用)
作詞は、作詞家の只野菜摘、監督である山本寛(別名義で辛矢凡)が主に担当する。
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ー少女に寄り添う、優しいことば達。
『ゆき模様 恋のもよう』
「大好きだ」が 散りばめられている街に
輝いて降り積もる 降り積もる
今朝も寒いねという 凛とする
無垢でいるため とぎすまされて私は
遠くで きみを想い 透明になっちゃいそうだよ…(①)
街路樹を 氷のモザイクが飾る下をゆく
決めたの
◯恋をする繊細な気持ちが、脆くはかない雪の結晶と重なる。恋する少女と冬景色の描写が美しい。
(①)「無垢でいるため〜」の部分の表現、凄い。うまく表せなくて悲しいが。
◯書いていて気付いた事。最初と最後の歌詞「雪模様 恋するもよう」から「ゆく模様 恋するもよう」への変化。もよう(模様)には二つの意味があって、
模様(もよう)
1.図形及び色の組み合わせ
2.様子。ありさま。
最後の歌詞の「ゆく模様 恋するもよう」の模様は後者の意味で、きっとこの後少女は告白をして(行く模様)、恋がはじまるだろうという"予感"(恋する模様)、を感じさせる構成になっている。「街路樹を氷のモザイクが飾る」のような冬景色のうつくしい模様が散りばめられている中で、初々しい少女の恋もようが歌われる。タイトル通りきらきら結晶のような、美しい冬の曲。今の時期にぴったりでよく聴いてる。
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『SHIFT』
ネックレスみたい 街は
真珠色のスター・ライト
ばらまかれたヒカリは
簡単になんてつかめないよ
でも 雨上がりの舗道も 美しい夜… (②)
思わず 踊り出してしまうの
ああ それがすべてよ
いつかはタワーを眺めるソファーで
明日の台本 しぬほど読みたい
(ティーは ほうじ茶)
◯輝かしい世界に憧れる少女の曲。この曲はワクワクとトキメキがぎゅっと詰まってて最高。(②)「でも雨上がりの舗道も〜」のところなんかは画が浮かぶ様。
◯『地下鉄ラビリンス』(作詞:只野菜摘 作曲:広川恵一)も夢に憧れる少女の曲。田舎から上京してきたての少女の戸惑いと、少しの不安を歌っている。
「満員電車それは人生の 縮図なのかな不安になる」
「洗練されたい気持ち 迷路でこじらせた」
WUGちゃんの中には実際田舎から上京してアイドルの活動をしていたメンバーもいたから、リアルと曲(作品)が地続きになっている。
『地下鉄』も『SHIFT』も、メンバー1人1人のノンフィクションの物語の様だ。
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『7 sences』
チャンスひとつひとつ しなやかに鍛えたら
(虹の向こうへ)
逞しくなる 美しくなる
だからみんなすてき 違う役目があるんだ… (③)
『HIGAWARI PRINCESS』
「嬉し涙 悔し涙
すべての あなたの涙
(光るアーカイブ)
顔をあげてまっすぐ進んでく今を
飾るブレスのよう
(真珠のナミダ)」
「がんばったねのヒロインに
舞台裏の勲章を
少し照れてる微笑みは
咲き誇る ばら色に
どんな小さな努力でも
プロフィールは嘘つかない
エアーのティアラがみえること
わかっている 私でいたい」
『スキノスキル』
本当の恋なら 本当の愛なら
女の子は強くもなれる(おどろかせる)
悩みながら 歌いながら(いたずらをみせる)」… (④)
◯あらゆる困難を“しなやかに”、“歌いながら” 乗り越えていく少女たち。軽やかな足取りで。
「チャンスひとつひとつ しなやかに鍛えたら 逞しくなる 美しくなる だからみんなすてき 違う役目があるんだ」(③)
「悩みながら 歌いながら」(④)
◯努力の結晶を「光るアーカイブ」「飾るブレス」と表現するのもときめく。優しい歌声で、可憐に歌い踊るWUGちゃんにぴったりだ。
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ーかなしみから、立ち直る。少しずつ。
『言の葉 青葉』
青葉は咲く 季節はかわっても
何度でも芽生える 力を持ってる
涙ふいた笑顔は花のよう
言葉にはできない
ただずっと 一緒にいよう
がんばってねと かんたんに言えないよ
言の葉と青葉の きらきらを あおいで
◯東日本大震災の復興活動として仙台を活動拠点にPRを行なっていたWUGちゃん。
この曲からは「再生」「何度でも生まれ変わる」と言う前向きなメッセージが受け取れる。何度でも芽生える青葉の美しさ。
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『雫の冠』
かわっていくものたちと
かわらないもの うけとめる
そうね 輪廻
魂のようなものは続く
ぽと ぽと
雫がつくる冠が欲しい
◯『雫の冠』とは、一体どういう意味だろう、と思いメンバーのインタビューなど調べて読んでみたが、どうやら本人たちもその本当の意味は知らないらしく、人によって解釈が違うらしい。「かわっていくもの」「かわらないもの」「輪廻」などヒントになりそうな単語が散らばっている。人や環境、社会は流動的なものだ。かわっていかなければいけないし、どうあがいても過去のものは時間の経過につれ現在から遠く離れていく。かわらないもの、は自分の信念のようなものだろうか。故郷、家族、愛するひとへの想いとか。色々考えられる。「雫の冠」と、『HIGAWARI PRINCESS』の歌詞にある「エアーのティアラ」は意味的に重なるところがある感じがする。
WUGちゃんの事に関して言うと
変わっていくもの→WUGの解散/それぞれの道
変わらないもの→WUGの活動の軌跡(アニメや楽曲などの作品、復興支援活動など)
そして、解散ライブでメンバーの永野愛理ちゃんが言っていた、
『こんな最高で、最強の7人はいないと思う。
いや、絶対にいない。
個性的な7人なのに、一つに魂が集まった時、世界一の輝きを放つグループ。
後にも先にも、こんな素敵なグループはないと思います。
今気付かれなくてもいい、5年でも、10年でも、20年先でも、「WUGって凄いグループだった」と、言ってもらえる自信があります。』
と言う言葉。現に、私は解散後にWUGを知ったものだが、楽曲は未だ輝き続けていて人々の胸を打つ。
本当に良いものは風化しない。魂のこもったものは人々の心に残り続けるだろう。
◯「そうね 輪廻 魂のようなものは続く」
輪廻→何度でも芽生える青葉も想起させる。
雫にうたれて
心 まるくなってきたよ
だけど 悲しみは
ざわめき とがったままだ
◯繊細な言葉の表現とそのバランスが巧みで、すとんと胸に落ちるものがある。音の響きとも相まって、心地よく、安心する。
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ー少女から、大人へ。
『土曜日のフライト』
土曜日のフライト チケットとプライド
信じて行かないと 証明をしないと
好きの裏側 憎しみで 大人にさせられても
少女たちはいつの日にか 卒業していく…(⑤)
忘れないで でも上手に忘れて
悔しい怖い泣きたい もうそのレベルじゃない
◯ (⑤)「好きの裏側 憎しみで 大人にさせられても」の部分が、最近実感として理解できたというか。個人的な話になってしまうが。
大人になることって、やはり楽なことばかりじゃない。子供の甘えが残っている自分は、このままでは大人になれない、生きていけないと気付いた。
大人になると言っても、年を重ねれば勝手になるものじゃなくて、個々人の中で壁にぶち当たり、社会に適用する様変容していくという段階がなければ、大人にはなれないんだと最近感じた。いつまでもそのままの自分で認めてくれるほど世の中は甘くはないし、「ありのままで」というけれど、中身は子供のままでは社会に相手にされないまま外側だけどんどん老け込んでいく。
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『少女交響曲』
作詞:辛矢凡 作曲:田中秀和
本当に大事なものは いつも見える訳じゃない
だから今の自分信じて 未来を信じて
(You,Never never look back!) (和訳:決して後ろを振り返らないで!)
求める心あれば 悲しみも淋しさも
きっと 美しい景色に変わる
君と紡ぎ出す 透明なシンフォニー
◯先ほどの話の続きになるが、大人になる過程で、信じられるものは無条件に認めてくれる周りの大人や友人ではなく、自分自身だけなんだと思う。
物事の感じ方の違いで周りとぶつかる事がある。どう説明しても理解してもらえない事がある。頼るものがなくなると気持ちは不安定になり絶望してしまうが、少し立ち止まって考える。周りが何と言おうが、自分は自分なんだ。自分でしか、自分の考えていることはわからないし、挑戦して失敗/成功するのも自分でしか出来ない。分かり得ない。頼りないかもしれないが、自分を信じることだ。それが1番大事だと、最近ほんとうに思う。
人に相談する事がたまにある。困ったときは人に話すと良い、と言うが、そこで得られるものは、相手の言葉ではなく、“結局自分を信じるしかない”という事実のみだ。どうしても周りに流される。話しても話しても解決しない。答えは自分しか分からないからだ。
…めちゃめちゃ暗い話になってしまった。でもその分、と言ったらおかしいが、この『少女交響曲』には希望を感じるのだ。上に引用した2番の歌詞。
「だから今の自分信じて 未来を信じて(過去は振り返るな)」
「求める心あれば 悲しみも淋しさも きっと美しい景色に変わる」
これ、ほんとうに大名曲だと思うんですが、作詞した監督がnoteかなんかで小手先で作った曲だ、何で評価されてるのか分からないだのなんだのいろいろ言っててショック…。ただただ初恋の曲とそのまま受け取ったらあんましたいした曲じゃないかも知らんが、私が考えすぎなのか…? いろんな人の解釈とか感じ方とか聞いてみたい。(調べたけど作曲のことに触れてる感想がほとんどだった。あと恋愛ソングとしてしか受け取られていなかった)
以前のブログにも書いたが、田中秀和氏がおっしゃっていた、WUGの楽曲について「聴いている方たちを明るいだけの気持ちに引っ張っていく様にしない」という言葉、これはWUGの楽曲らしさに繋がる重要なテーマ?と勝手に思っている。「悲しみも淋しさも」、これは震災のことや、WUGちゃんのアイドル活動のこと、以外にも様々なことに当てはめて解釈する事ができると個人的に思いたい。自分に繋げて考えたいというエゴが出てしまってお恥ずかしいが…
私はまだ、「きっと美しい景色に変わる」の段階まで来ていないので、これはほぼ祈りみたいなものだが。求める心があれば、きっと、明るい未来があると。信じたい。
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だいぶ個人的な想いを含んだものなってしまった。気分を悪くされたらすみません。(誰に対しての謝罪?)
文章の感じでだいたい察せられると思うが、今、自分はかなり悩んでいる。悲しかったり淋しかったり、いろんな感情になって出口がない暗闇を生きている様な気持ちになる事がある。
しかしWUGちゃんの曲に励まされながら、何とかこうして文章を書いたり、美味しいものを食べたりして生きている。
暗い世の中だが、明るい未来を信じて行きたい。東京の空に星はないが、それでも、彼女たちが奏でる星空を支えにして。前を向いて。
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最後に感謝を みせよう 贈ろう
綺麗な波長と 優しい笑顔で
最後まで演奏を 続けるこの船
強さがあなたに 届くと信じる
一粒 星が残った
輝きだけが 言葉の絶唱(言葉の結晶/Wake Up,Girls!)