笑いの連鎖、漫才は”ぷよぷよ”だ!

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(注意: これは、ゲーム『ぷよぷよフィーバー』についてなんとなくしか知らない人が書いてます。変なこと書いてたら笑ってください)

 

2021年4月18日、よしもと∞ホールにて行われた真空ジェシカ×ダイヤモンドツーマンライブ『ガクカワマタ』に行った。お笑いライブ自体あまり経験はないのだが、今特に好きなネタをする二組なので非常に楽しみだった。

当日は、ライブDVDなどをたまに観る程度でお笑いライブにはまだ一度も行ったことがないという友人を誘った。初めて行くお笑いライブにふさわしい二組かは疑問だが、友人とはものの考え方や好みが近いのでまぁ大丈夫だろうと判断した。

初めて行くよしもと∞ホールはかなりミニマムな印象。システムが良くわからず、半狂乱になりながら順番を待った。会場は客席が舞台を囲むように扇形になっており、まぁまぁ後ろの席を取ったが、舞台がかなり近くて驚いた。チケットを何回も床に落として1人てんてこまいになっていたらあっといまにライブが始まる時間に。オープニングVTPが流れ始める。素敵な編集と出演者の意気込みコメントが、期待と高揚をさらに高める。これから大好きな漫才師のネタが6本も見れる‼︎

 

私の行ったライブ『ガクカワマタ』は、人力舎所属「真空ジェシカ」と吉本興行所属「ダイヤモンド」のツーマンで、二組が交互にネタを披露する形式だった。まずはダイヤモンドが出てきてネタを披露。安定したダイヤモンド野澤節炸裂で、徐々におかしさが増していく展開がとても気持ちよかった。私は去年のM-1グランプリ準々決勝の動画でダイヤモンドを知ったのだが、その時披露されていた「スタバ」のネタと同じフォーマットで、なんだか嬉しかった。ボケの小野さんの絶妙な表情の感じが生で見れるのも、ライブならではで新鮮だった。

そして真空ジェシカの出番。袖から独特の雰囲気を醸し出しながら出てくる2人。生で、今まさに目の前で、今1番面白いと思っているコンビが漫才をする! 今、目の前で! ークラクラした。しかし束の間の感動のあと、繰り出される漫才、長キモ掴み(長くてキモい掴み)から一つ一つのボケが本当に面白い‼︎ 目の前で憧れの人が漫才をしているという感動も忘れ、目の前で繰り広げられているイリュージョンに圧倒され魅了されていき、ドカドカ爆笑が起こる会場のお客さんに混じってゲラゲラ笑っていた。とにかく、ボケの川北さんから繰り出される怒涛のボケ一つ一つに、会場がドカドカウケるのが見ていて圧巻だった。笑いの“連鎖”、まさに「漫才はぷよぷよだ、と、日頃から川北さんが提唱しているこの謎理論にも合点がいった。

私が1番笑ったのは真空ジェシカの2本目、大家さんのネタだったのだが、その中で「シェアハウスをしている仲睦まじいように見える住人がハンドサインで“help,me!”をやっている」というくだりがあったのだが、それを見た瞬間、ゾワッと鳥肌が立つような恐怖感と、面白さが同時に襲ってきて、(う、うっわ、すげーーーーーーーーっ)と、まるで雷に打たれたような衝撃が全身を駆け巡った。川北さんの発想に、狂気に、心臓を撃ち抜かれた。やっぱり凄いわ。只者じゃない。そう思った。いまだにあの光景は脳裏に鮮明に焼き付いている。それくらい衝撃だった。

それぞれがネタを披露し終わった後も、告知されていなかった大喜利コーナーが始まったのだが、「今まさに目の前で、ずっと映像で見ていた人が、“スケッチブック”に“大喜利の回答”を書いているッッ‼︎??」という事実が信じられず、頭の中枢あたりがサーティーワンアイスクリームのポッピングシャワーの様にパチパチ弾け、しばらく客席でボーーーーーッとしてしまった。真空ジェシカもダイヤモンドの野澤さんも大喜利プレイヤーとして界隈では有名な人たちなので『おのしろ大喜利』という若干イレギュラーな大喜利ではあったものの、非常に楽しく大満足だった。

 

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そして2021年12月19日。M-1グランプリの当日。なんと今1番推している真空ジェシカが、2021の決勝に進出したのだ。TBSラジオで放送していた(現在Podcast等で配信中)『真空ジェシカのラジオ父ちゃん』を通してこのコンビを知り、YouTubeに上がっているネタの面白さに衝撃を受け、それから出演しているライブの配信を買ったり、YouTubeに川北さん自身が上げているネットラジオ真空ジェシカのギガラジオ』を繰り返し繰り返し聴いたりして、自分の出来る範囲内で追っかけをしていた。初めて存在を知ってから2年。自分が今1番応援しているお笑い芸人が、数々の予選を勝ち抜き、決勝の舞台に立って世間に知られるまでを見れるという、またと無い機会がやってきた。

大会は最高だった。どのコンビも面白く、爆笑に次ぐ爆笑。真空ジェシカの名前が呼ばれ、紹介VTRが流れ2人が決勝の舞台にせり上がりで登場するのを見た時、いろんな感情になってテレビの前にすわって声も出さず静かに泣いていたのだが、ネタが始まってからは感動のことなど徐々に薄れていき、(ライブ行った時と同じだ) ただ次々繰り出される川北さんの秀逸なボケと、ガクさんの、ひょろひょろで若干見てる者を不安にさせる容姿ではあるものの、しっかりとボケの面白さを際立たせるツッコミ。ネタは「1日市長」という見たことのないものだったが、私が衝撃を受けた「ヘルプミーのハンドサイン」のくだりが採用されていて、しかもそれがかなりネタの“要”として配置されており、一人(うぉーーーーーーーーっ‼︎)と心の中で叫んだ。一つ一つのボケでしっかりウケていて、自分のことのように(わぁー、ウケてる、嬉しい)と思っていた。得点はいまいち伸び悩んではいたものの、私はテレビの前で心から拍手をして二人を讃えた。立派だ、素晴らしい。若干上から目線なのが気になるが本当にそう思った。真空ジェシカの番が終わってからも、最高の漫才師たちによる、最高の漫才が続く。結果、見事錦鯉が最も笑いの連鎖を打てた漫才コンビとして優勝した。真空ジェシカも、もちろん他のコンビも連鎖は打てていたのだが、やはり今大会では、錦鯉のボケまさのりさん・ツッコミ隆さんの今までの「人生」を“ぷよ”として積み重ね、「ライフ・イズ・ビューティフル」で締めたのが、“非常に芸術点が高いぷよぷよ”と評価されたみたいだ。(違います)

 

M-1後のオズワルドのラジオで、今年オズワルドを知りそれがきっかけで生まれて初めてM-1を見た、という方のメッセージが読まれていて、その中で出てきた「誰かを応援すると、こんなにも誰かの夢を大事に思えるんですね。」という言葉が、すごく胸に沁みてジーンときた。真空ジェシカの応援をしていて、二人に起こる様々なことに一喜一憂し、今年の年末、夢の舞台に立っている二人を見届けることが出来た。私は本当に最高の体験をさせてもらった。二人はこれからどんどん売れていって、たくさんの人たちに笑いを届けていくのだろう。今、私は少し元気がない状態なのだけれど、二人の活躍を見て元気をもらい希望をもらい、二人のネタにめちゃくちゃ笑わせてもらいながら、来年も生きていこうと思う。皆さんよいお年を。